壱岐のモンサンミッシェルと呼ばれる小島神社について
2023-08-04
干潮時のみ参拝ができる特殊な神社
壱岐島東部の内海湾(うちめわん)に存在する小島神社は壱岐のモンサンミッシェルと称され数多くの観光客が訪れる人気スポットです。
モンサンミッシェルとは、フランス西海岸、サン・マロ湾上に浮かぶ小島であり、島には長い歴史を持つ修道院をはじめ、
ガブリエルの塔や王の門といった歴史的建造物、多くの格調高いホテルなどがあり、世界遺産にも登録されている観光地で、
その最大の特徴は小島でありながらも干潮時には対岸から徒歩で行くことができるというものです。
現在でこそ地形変化のため、基本的には満潮・干潮を問わず陸続きとなっていますが、
年に数日だけ訪れる「大潮」の時期には完全に海に囲まれた往年のモンサンミッシェルの姿を見ることが出来ます。
小島神社もモンサンミッシェルと同様、干潮時にのみ歩いて渡ることができる小島となっており、
島全体が神域とされる小島神社は壱岐島を代表するパワースポットの一つとされています。
今回はこの小島神社についてご紹介します。
祀っている神様とご利益は?
小島神社には神道における最上位の神様である天照大神(アマテラスオオミカミ)の弟神である須佐之男命(スサノオノミコト)や、
母神である伊邪那美命(イザナミノミコト)などが祀られています。
壱岐島は「神々の島」と称され、住吉三神を祀った総鎮守である住吉神社をはじめ、
猿田彦命(サルタヒコノミコト)を祀った男嶽(おんだけ)神社や月讀命(ツクヨミノミコト)を祀った月讀(つくよみ)神社など、
神社庁に登録されている神社だけで150以上の神社が存在しています。
その他の社や祠などを合わせると島内の神社総数はなんと1000社にも及び、壱岐島自体が多くの参拝客が訪れるパワースポットとなっています。
また、壱岐島を含む対馬・五島の島々は古くから朝鮮や中国との交通の要衝として重要視された歴史があり、
その文化的価値において「国境の島 壱岐・対馬・五島~古代からの架け橋」として日本遺産にも登録されている、
歴史的にも価値の高い観光スポットとなっています。
国境の島 壱岐・対馬・五島~古代からの架け橋 公式サイト
小島神社のご利益は恋愛成就や縁結び、商売繁盛、開運などがあります。
月と太陽、科学的に言えば引力が関係する潮の満ち引きが関係するだけあって、
他の神社よりも一際ロマンチックなご利益があるかもしれませんね。
また、神社を含む小島全体が神域とされ、何一つ持ち帰ってはならないという慣習があります。
スサノオノミコトは最初の和歌を詠んだとされており文化的な側面も持ち合わせていますが、
ときには凶暴とも言える勇猛さを持ち合わせた神様でもあります。
小枝一本、小石一つとして持ち帰らず、ご利益に預かりましょう。
満潮時には参拝は出来ませんが、潮の満干が創り出す、四方を海に囲まれた小島神社の神秘的な佇まいは是非写真に収めておきたい一枚です。
特に日の出や日の入りの時刻が満潮にあたる時期に訪れた際には是非朝焼けや夕焼けに照らされる、
海に囲まれた神秘的な小島の姿を写真に収めてみてください。
参拝について
小島神社は壱岐島の主な玄関口である芦辺港から車で7分程度のところにあります。
参拝に際しては前もって干潮の時間を調べておくといいでしょう。
干潮時間の前後1時間が小島神社参拝に最も適した時間となりますが、
小潮の時期と重なると干潮であっても十分に潮が引かず参拝ができなくなるので、こちらも事前に確認しておきましょう。
また、こちらの参道が現れる内海湾の「小島神社」の他に、壱岐島の南側にある印通寺港内にも「小島神社」があり、そちらは歩いていくことは出来ません。
同じ小島神社という名前なので、間違えないようにしましょう。
(印通寺港の「小島神社」も素敵な場所です。機会があれば一望してみてはいかがでしょうか)
参道や島内は滑りやすいところや歩きにくい道もあるため、靴はしっかりとしたスニーカーや運動靴を用意したほうが良いでしょう。
服装も動きやすい、汚れても大丈夫な服装がオススメです。
小島神社の対岸から鳥居までは徒歩で五分ほどです。
参道途中には積石や潮溜まりがあり、海の生き物と触れあう機会があります。
時間に限りはありますが、普段は海に沈んでいる参道には思わぬ発見があるかもしれません。
壱岐島の沿岸には干潮時にしか見られない「ハート石」と呼ばれる、ハートの形をした石があり、
こちらは小島神社のご利益にある「恋愛成就や縁結び」の効果をさらに高めてくれるかもしれません。
鳥居をくぐり、右側から回っていくと階段のある参道が姿を現します。階段が崩れかけている場所もあるので、
手すりにしっかりつかまって階段を進みましょう。
ゆっくり登っても5分ほどで頂上のお社に到着します。
小さな拝殿と本殿、賽銭箱と記帳箱があるシンプルでこぢんまりとしたお社ですが、頂上からは内海湾の景色が一望できます。
内海湾はカキの養殖が盛んで、島内にはカキをはじめとして近海で獲れた新鮮な海の幸を提供する飲食店も多くあります。
参拝の後には美味しいご飯、というのも壱岐島観光の楽しみの一つです。
帰り道は来た時とは違う側の道もありますが、こちらは道が行きの道に比べて段差が多かったり、潮溜まりがあったりするので、
小さなお子様やお年寄り、体の不自由な方が一緒であれば行きと同じ道を帰るのが良いでしょう。
また、湾に面して存在する寄八幡神社の宮司さんによる参拝ミニツアーもあります。
小島神社・壱岐島の歴史はもちろん、内海湾周辺の歴史まで、見識豊かな宮司さんの楽しいお話を聞きながら参拝できます。
御朱印も書いていただけるので、神社巡りの方はツアーに申し込んでみてはいかがでしょうか。
所要時間は寄八幡神社での講話から小島神社への参拝で60分程度、料金はお一人様2400円です。(要予約)
都合により干潮時に訪れることが出来なかった人のために、壱岐島側の防波堤付近にも遥拝所として小さな鳥居があります。
交通・宿泊や島内の移動について
壱岐島へは航空便と船便で訪れることが出来ます。
空の便は所要時間30分程度で長崎空港発・壱岐島着の便が朝夕1便ずつ出ています。
壱岐島発・長崎着の便も同様に朝夕1便ずつです。
船でのアクセスだと福岡市内の博多港、対馬・厳原港、佐賀・唐津東港からジェットフォイルとカーフェリーが出ており、
壱岐島の芦辺港、郷之浦港、印通寺港に到着します。旅行スケジュールや宿泊場所など、ご都合に合わせたアクセスが可能です。
壱岐島へ行き方:主要ルートとチケット取得方法を徹底ガイド
宿泊施設は各玄関口を中心にホテル・民宿から一棟貸しのゲストハウスまで多彩に営業しており、人数や予算等に合わせたプランが立てられます。
また、島内には古くから温泉が湧いており、中には源泉かけ流しの天然温泉といった本格的な温泉施設も多く営業しています。
島内の移動については各空港・港の近隣にレンタカーショップがあるので、カーフェリーでの車での来島でない場合はレンタカーが便利です。
また、「壱岐ちゃり」と呼ばれる電動アシスト自転車のレンタルが島内各所に設置されており、
自転車でのんびり島内を回りたい方は自転車での観光もオススメです。
壱岐ちゃり 公式サイト
島内にはタクシーも走っており、運転免許のない方でも島内を回ることが可能です。
その他、春~秋にかけては島内の主要観光スポットを巡る定期観光バスが運行しています。
壱岐島を訪れるなら必ず訪れたい場所
「神々の島」壱岐島はそれだけでも魅力的な観光地・パワースポットです。
ここを訪れたのなら、是非この「壱岐のモンサンミッシェル」と呼ばれる小島神社に参拝してみてください。
海に浮かぶ小島神社、そして浮かび上がってくる参道で島と地続きになる様子は他では見ることの出来ないここだけの特別な風景ですよ。
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